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私の仕事の都合で転校したばかり小4に成る中の娘がどこかで貰って来た犬でした。 妻も仕事を持っていましたし、それも遠距離通勤で凄まじい生活をしていましたから、犬を飼うような余裕は無かったのですが、自分がめんどう見るからと言い張ります。それも犬飼いたさに3ヶ月の風呂当番をやり遂げた後の事でした。 およそ何をやってものろまでやる気の無い子だと思っていましたから、まさかにやり遂げられるとは思わず良い加減な気持ちで約束していた私は慌てました。 どうしたって大人の補佐が必要に成ることは目に見えていたからです。 でも、既にそこまで努力した娘の気持ちを踏み躙ったらそれこそ娘を潰してしまいそうな気がしましたし、実は私自身同じ年頃に転校した経験がありましたから、さすがに駄目だとも言えず迷って居る内に、自分で犬小屋までどこかの粗大ゴミで見つけて来て、運ぶのを手伝わさせられてしまいました。 娘が太郎と名づけたその犬はさすがに娘にはぞっこんでしたが、何時か妻も自分の子供の内の一人の様に可愛がっていました。
その娘が大学に行く時にうっかり国立でなければだめだと言ったばっかりに、途方も無い片田舎の国立を受験し(娘の説明ではそこにしかやりたい学科が無いのだと言う事でしたが), 太郎を私達の手元に残して行ってしまいました。 卒業する時に成って、私達の手元に帰ってくると思いきや結婚して西の都に住むと言うのです。 そんなに成っても太郎のほうは娘の事をしっかり覚えていて、たまの休みに返って来た時等その喜び方は並並ならぬものがありましたが、娘の方はもうあまり太郎の事は気に懸かっている風でもありませんでした。
その太郎が昨年の初め、亡くなりました。 17歳だったかと思います。亡くなる前の数年間はどういうわけか朝晩の食事も散歩も私が世話するはめに陥りました。 最後に腰も立たなくなり、遂には息も苦しげになり、そして亡くなったのですが、それでもその死は私にとってやっぱり突然の事でした。 最近私の育ての親に当たる叔父や母を次々に失い、その度に【そんなはずではなかったあまりに突然の死】に戸惑い、後悔ばかりしている私。いまさら犬の死などに関ずらわってはおられないとは思いつつ、もう犬は飼うまいと心に固く誓ったものでした。
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