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続き3

 投稿者:南京家応仁  投稿日:2007年10月10日(水)08時53分55秒
  通報 編集済
  歌舞伎を終えて

「ねえ、応仁」
「そうだね、天気もいいし銀座まで歩こうか」

「純子、歌舞伎とは心身一体といえばいいのか、顔の表情がすばらしいでしょう」
「うん、あたし初めての歌舞伎でしたが、迫力がありましたね」
「タイだったかビルマ(ミャンマー)だったかな?あちらには声を出さずに顔の表情だけで表現するお芝居があるとか、誰かにお聴きしたことがあるが」
「ふ〜ん、やはりお芝居とは台詞はもちろんですが、やはり全身から発する演技だよね、ところで私の演技はいかがでしたか、応仁先生」
「もちろん、君の瞳は輝いておりましたよ、美しい〜〜〜」
「ま〜た、応仁はお上手だから」

「ねえ、ライオンちゃん(銀座のシンボル)が見えてきましたよ、そうだ応仁の会社この近くだよね、純子見たい」
「だめだよ、汚いビルだから・・でも今日は日曜日だからオフィスには入らないよ、外からね」

「イイノホールは日比谷?」
「ああ、そうだよ」
「いいなあ、銀座は・・」

「和食、中華・・・」
「和食がいいなあ」
「よ〜し、今日は一昨夜の純子様のお芝居のすばらしさを祝して、日本酒で乾杯するか」

応仁の飲食には、例えば会社関係はこのお店、友人関係はこのお店、遊び関係はこのお店、そしてプライベート(超友人と申せば良いのかな)はこのお店・・・と言うように、応仁がお誘いする同伴者によってお店を分けていたのですが、今日は初めて純子を超友人のお店へと

「応仁、あたしこのお店は初めて」
「そうだったかな、おいしい煮魚を食べさせていただけるぞ」

「いらっしゃい、応仁さん、今日はお座敷テーブルがいいでしょうか?」

「純子、先ずは乾杯!」

「あら、応仁ちゃん、今日は素敵なお嬢様と」
「ああ、ママ、純子さんです、大事なマイフレンド」
「純子です、いつも応仁さんにはお世話になっております」

8時頃になるとママは小料理屋をあとに、本来のママのお仕事のクラブへと、すなわち両方のお店のオーナーさん。

「では応仁ちゃん、あとで純子さんといかがですか?」
「うん、お伺いしようかな、な、純子」


週に1〜2度のデートを重ねて来た応仁と純子でしたが、男とはある面では卑怯なもの、男は男の本能をあの手この手と満たすことは出来ようが、女はその様なことも男のようには出来やしないであろう、やはり付き合って1年を過ぎようとすれば、純子だって待ちきれないこともあろう、運命とは皮肉なものだ、純子には応仁が訪れるフィリピンへの話は一切していない。
応仁は帰国して純子にプロポーズを決めていたことは間違いなし、愛すればこそ、その前に純子のすべてを頂くことが出来なかったのである、なぜならば危険な仕事が待っていたからである。

明日がフィリピンへ出発と言う、夜中の12時を過ぎた頃に電話が

「応仁、迎えに来て〜」
「ええ、今何時なんだよ、今どこ」
「六本木、ねえ、迎えに来て、ねえ」
「だめだよ、明日大事な〜」
「仕事、仕事、純子と仕事どちらが大切、純子もう待てない、待てない、来て」
「じゃあ、タクシーで応仁のお家まで・・・」
「だめ、迎えに来なければ、純子もう応仁とは会いません、ねえ、迎えに来て〜」
「純子、絶対だめなんだよ、今日は・・・」
そして・・・「ガチャン」

これが純子との最後の分かれになろうとは・・・応仁翌朝一番で成田へと、東さんが先にお見えになっている。

マニラ空港へ着陸・・・
 
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